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"All Lives Matter"と言ってはダメな理由

こんにちは。ニューヨークの大学に通っているRei(@reimatsuda7)です。

白人警察官による、ジョージ・フロイドさん殺害事件はみなさんもうご存知かと思いますが、この事件をきっかけにアメリカだけでなく世界各地で抗議活動が行われています。

その中でもよく"Black Lives Matter"というスローガンを掲げている人を見ると思いますが、もう一つ"All Lives Matter"というものがあります。

実はこの"All Lives Matter"というスローガンは、一見素晴らしいスローガンに聞こえるかもしれませんが、悪気はなくても何も知らないまま使うと誤解を招いて問題に発展する可能性もある言葉です。

本記事では、"All Lives Matter"を使ってはいけない理由を私なりに解説します。

Contents

"All Lives Matter"がダメな理由

まず"Black Lives Matter"とは黒人の人権運動のスローガンとして使われ、近年はハッシュタグでもよく見られるようになりました。特に今回の事件のような黒人が(白人)警察官に殺されてしまうような事件に抗議をするために生まれた言葉です。

そして、"All Lives Matter"は、主にそれに対抗するために白人によって作られたスローガンです。

「黒人だけではなく全ての命が重要だろ!」

という意味ですが、なぜこれが問題なのかわかりますか?

日本で日本人に囲まれながら、同じ日本人として生活していると、人種差別を目にすることも体験することもあまりないかもしれません。

そして"Black Lives Matter"とあちこちで叫ばれているのを見て、「なぜ黒人だけ?」「全員じゃないの?」と疑問に思うかもしれません。

しかし、その考えは黒人たちからしたらとても浅はかであり、今の状況だけでは説明は不可能で、歴史をたどる必要があります。

"Black Lives Matter"は他の命の価値が低いという意味では決してないのです。

黒人は何十年、何百年とずっと弱い立場でいます。これは私が昨日シェアした動画です。

このように、white privilegeという白人だけ優遇を受け、黒人だけ不平等な対応は世界各地で特にアメリカで日常茶飯事に起こっています。

"Black Lives Matter"は、「黒人が大事」ではなく、「黒人大事」というメッセージです。

なので"All Lives Matter"というメッセージや、「人類は皆同じ!」のようなメッセージは、実際に差別や抑圧されている人の現実や痛みを萎縮することになります。

彼らにとっては、肌の色が他と違うという理由だけで、ずっと「人類は同じ」とは心の底から思えていないのです。

ビリー・アイリッシュ、”All Lives Matter”を批判

先日、アメリカ人の白人歌手であるBillie Eilishが最高に胸がスカッとする文章をインスタグラム上に投稿していたので、そちらを紹介します。彼女はわざと子供に対して言うような口調で、万人に伝わるように綴っています。

内容もとてもわかりやすいので、一部で意訳となりますが紹介します。

 

"No one is saying your life doesn't matter. No one is saying your life is not hard. No one is saying literally anything at all about you... All you MFs do is find a way to make everything about yourself. This is not about you. You are not in need. You are not in danger."

"誰も白人の命が重要じゃないなんて言ってない。誰もお前らの人生に苦労がないなんて言ってないんだよ。誰も白人のことなんて何も言ってんだって。マザーファッカー共は全て自分のことにならないと気がすまないのかよ。お前らに(特別なスローガンは)必要ない。だって(黒人のように)危険にさらされていないんだからね。"

黒人がん日常的に感じている本当の危機感を白人は感じていないのにも関わらず、スローガンで自分たちも守ろうとしていることに対しての怒りをここでは書いていますね。

もちろんBillieのようにそれ(優遇)を理解している白人はいますが、全く気付いていない白人や他の人種も多くいるわけです。

"If your friend gets a cut on their arm are you gonna wait to give all your friends a bandaid first because all arms matter? No you're gonna help your friend because they are in pain because they are in need because they are bleeding!" "If someone's house was on fire and someone is stuck in the house, are you gonna make the fire department go to every other house on the block first because all houses matter? No! Because they don't fucking need it."

"もし友達が腕を怪我したら、「全ての腕が大事だから」と言う理由で他の友達に先にバンドエイドを貼ってあげるのか?違うよね、先に怪我をしている友達をまず助けるよね?だって血が出ているから。"
もし誰かの家が家事になってしまって、炎の中に閉じ込められている時、「全ての家が大事だから」という理由で消防士は他の家に行くべき?これも違う、だって(燃えていない家には)必要ない。"

↑素晴らしい例えですよね。すごくわかりやすいし、何より今回の事件と本質的には同じことを言っています。

"Why is it okay for white people to protest literally being asked to stay at home while carrying semi-automatic weapons? Why is it okay for black people to be called thugs for protesting the murder of innocent people? Do you know why? White. Fucking. Privilege."

"なぜStayHomeと言われている時に、それに対抗して散弾銃を持ってプロテストする白人は許されて、黒人だからという理由だけで無残に殺されて怒り狂っている黒人がThugと呼ばれることが許されているの?なぜかわかる?ホワイト、ファッキン、プリヴィレッジがあるからだよ。"

ちなみに"Thug"は「凶漢など」という意味で、トランプ氏がツイートした内容をおそらく示しています。

また、"White privilege"とは「白人の特権」という意味。
白人は白人という理由だけで、人生が優位になるということです。そして、これが驚くほど一部の白人は理解しておらず、このような人が"All Lives Matter"と言いがちです。

苦労を知らないと言っていなくても、彼らは恵まれてると言われると過剰反応したりすることがあります。

Billieの投稿を見たい人はこちらから全文を見ることができます。コメント欄も非常に勉強になります。

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#justiceforgeorgefloyd #blacklivesmatter

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Billie以外にも多くの方がこの件について意見を発信しています。悪気はなくても、教養がないがために敵を作ってしまったり、相手を傷つけてしまうことはとても悲しことです。

相手の気持ちを理解するためには、実際にそれを自分が体験するか、完全に理解できなくても学ぶことで彼らと同じ土台に近くことはできると思います。そして、学ぶことは誰にでもできることです。

"Black Lives Matter"「黒人の命は大切だ」というスローガンは、他の命が大切ではないということではなく、この社会が黒人の命を大切にできていないということを注目するためのもの、ということがこの記事で伝われば嬉しいです。

 

 

#BlackLivesMatter

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