こんにちは。当ブログを運営しているRei(@reimatsuda7)です。
今回はスウェーデン王立工科大学(Royal Institute of Technology)に交換留学したnachiさんをゲストとして招き、学校紹介をしていただきました。交換留学にあたってのアドバイスを実際に通っている現地の学生目線から聞いてみました。
スウェーデン王立工科大学に留学を考えている方にとってこちらの記事が少しでも参考になれば嬉しいです。
Contents
自己紹介
ストックホルムにあるスウェーデン王立工科大学(KTH Royal Institute of Technology)に1年間交換留学に行っていたnachiです。大学4年時に、通っていた日本の大学の交換留学プログラムで留学し、現地では修士課程の授業を受けていました。理系の学部留学は珍しく、このプログラムを使う学生が出たのは私の大学では5年ぶりだったそうで、先輩のデータもあまりなかったため、行くまでは少し不安でした。
また、交換留学プログラムといえど、学科の必修科目などと完全に互換性のあるプログラムではなかったため、必然的に1年卒業が遅れました。しかし、念願だった1年間の留学によってかけがえのない経験ができ、自分の世界が広がったので1年遅らせてでも行ってよかったと思っています。
スウェーデン王立工科大学(KTH)とは
スウェーデンの首都ストックホルムにある工学系の総合大学です。スウェーデン語ではKungliga Tekniska Högskolan と呼ばれ、略称はKTHです。スウェーデン最大の研究機関、またヨーロッパを代表する工学系大学の一つで、 QS大学総合ランキングでは毎年100位以内に入っており、世界中から学生や研究者が集まっています。
の特徴
- 1827年に近代社会の工業化の要請により、応用技術に重点をおいた教育機関として創立されました。
- QS大学ランキングの分野別ではEngineering&Technologyで30位、Natural Sciencesで84位。科目別では、電気・電子工学、材料科学、機械工学、建築、コンピュータサイエンスなどで50位以内にランクインしています。
- ストックホルムは学生の住みやすい街としてQS Best Student Citiesで37位にランクインしています。
- 毎年12月には、ストックホルムにある大学でノーベル賞授賞式のアフターパーティーが開かれるので、運営側として参加できるチャンスがあります。
- 毎年、220の提携大学、100か国から約1000人の交換留学生を受け入れています。
- 学生の男女比は約7:3であり、ジェンダー平等度の高いスウェーデンでも理工系女子学生の比率の向上は課題としています。
基本データ
規模 | 大規模(生徒数約13500人) |
年間授業料 | SEK310,000~ |
学校の種類 | 3年制学士課程+2年制修士課程 |
性別 | 共学 |
宗教 | 無宗教 |
留学生対象奨学金 | 有 |
条件付入学 | 無 |
人気の専攻 | Machine Learning、 Architecture Sustainable Energy、Engineeringなど |
立地環境 | 都会 |
治安 | 良 |
滞在オプション | 寮、アパート、ホームステイ |
必要英語力(学部入学) |
IELTS6.5、TOEFL ibt 90 |
アカデミックプログラムや認定プログラム
英語で行われるプログラムとしては、修士課程が61、学士課程(3年)が1つあります。修士課程ではArchitecture and the Built Environment、 Electrical Engineering and Computer Science、 Engineering Sciences、 Engineering Sciences in Chemistry、 Biotechnology and Health、 Industrial Engineering and Managementの5つの学部が存在し、様々な領域を網羅しています。
学費と奨学金
私は交換留学だったため、学費は日本の所属大学に払うのみでした。EU加盟国出身の学生の学費は無料ですが、EU外からの学生は日本の私立大学ほどの学費が必要となります。
修士学生にはいくつかの奨学金が用意されていますが、いずれも競争率は高く、相当優秀でないと獲るのは難しいようです。
私の場合は、日本の大学と奨学金団体から奨学金を頂いて生活費を確保していました。
学生サービス
学内には学生が利用できる様々なサービスが整っています。留学生は空港までの出迎えや、オリエンテーションを学部ごとに受け、ほとんどの交換留学生はKTHの寮に入ります。KTH Libraryでは毎日Language Caféを実施しており、英語やスウェーデン語、スペイン語、中国語などのネイティブ学生とその言語を学びたい学生とがランチを食べながらおしゃべりできるのですが、なんと参加学生は無料でサンドイッチをもらえます。私は英語、スウェーデン語、日本語のLanguage Caféに毎週のように参加していたため、かなりお昼代を浮かせられました(笑)
また、KTH Libraryや企業によるCV講座といったランチセミナーも頻繁に開催されており、そこでもお昼が無料でゲットできます。
スウェーデン王立工科大学での留学生活について質問!
スウェーデン王立工科大学での留学生活をnachiさんに質問して聞いてみました。
なぜスウェーデン王立工科大学を選んだのですか?
理系で交換留学できる提携大学だったことと、ヨーロッパに行ってみたかったことがきっかけですが、サステナビリティやジェンダー平等に興味があり、学びたいと思っていた私にとって、それらの先進国であるスウェーデンは留学先として最適でした。
授業の雰囲気は?勉強は大変ですか?
さすが北欧の大学、という感じで、授業では先生と生徒の距離が近く、活発な議論がなされていました。日本の大学と違い、グループでのレポートやプレゼンも試験に相当するので、授業外でのグループワークが多くありました。また、予習として出されるReadingの量が多く、毎回ヒーヒーしながら読んでいました。試験は、グループレポート、プレゼン、個人課題が各授業から課されるためかなり追い込まれました、、。
週末はどこで遊ぶのですか?
首都とはいえ森に囲まれている国なので、電車で10~30分も行けばかなり大きな森でハイキングを楽しめますし、大学の裏や寮の隣にもすぐ森があったのでよく散歩に行っていました。毎週末には友達とハイキングに出かけ、夏になればそのまま森にある湖にダイブしていました。長く暗い冬の後の夏は最高で、スウェーデン人たちも短い夏を全力で楽しみます。
冬は、市内に無料のスケートリンクができるので、スケート靴があれば滑り放題ですし、雪に覆われた森のハイキングも神秘的で楽しかったです。私は真冬にはやっていませんが、湖のそばには大体サウナがあるので、サウナのあとに湖にダイブもできます。
また、大学では各学部が自分たちのBarをもっており(!)、放課後から深夜までキャンパス内でお酒(と飲みゲーム)を楽しむ学生も多いです。
日本人は何人くらい?
私が行ったときは、交換留学生(半年or 1年)、研究生、正規留学生など合わせて20~30人ほどいました。
留学当初と比べて英語力は上がりましたか?
常に英語に触れているのでReading、 Listening、 Speaking、Writingともに上達したと思いますが、当時は周りが話せる非ネイティブ(スウェーデンはじめヨーロッパ圏やインド、シンガポールなどからの留学生)ばかりだったので、上達を実感できず、とにかくしゃべって上手くなろうと必死でした。
大学のご飯は美味しい?
外食は高いのであまり買いませんでしたが、特別おいしい!というわけではなかったです。ただ、ヴィーガンやベジタリアンへの配慮が徹底されており、今まで食べたことがなかったFalafelやHummusといったヴィーガン用の食材を使ったサンドイッチなどが意外と美味しかったのが印象的です。移民が多いので、そういった食材を扱う中東系のレストランも多く、物価の高いスウェーデンにおいては比較的お手頃にたくさん食べられます。
また、スウェーデンにはFikaというコーヒーブレイクの習慣があります。キャンパス内外のカフェではコーヒー(または紅茶)と共にシナモンロールやキャロットケーキなどをよく食しましたが、スイーツは概しておいしかったです。キャンパス内にもあるセブンイレブン(!)のレジ前でも(カロリーの高そうな)スイーツやパンなどを販売しており、いつも甘くておいしい匂いが漂ってきていました。
寮生活?ホームステイ?
私は、初めはKTHから割り当てられた学生アパートに住んでいました。しかし、(大学の寮なのに)大学から遠く、ただのシングルアパートメントで住人同士の交流が少なく寂しかったので、途中から自分で部屋を探してシェアキッチンのある学生寮に移りました。ちなみにストックホルムは住居不足なので部屋を見つけ出すのにはかなり骨が折れました。部屋を貸したい人と借りたい人のFacebookグループにいくつも参加し、何人かの貸し手との直接のやり取りや内見を経て、無事部屋をゲットできました。
シェアキッチンでは留学生同士のPotluck(持ち寄りディナー)で色んな国の料理を食べたり(日本料理をふるまったり)、パーティーをしたりして楽しく過ごせました。ただし、あまりにParty peopleが多い階だと睡眠妨害される恐れもあります。
まとめ
いかがでしたか?今回はスウェーデン王立工科大学に留学していたnachiさんに、留学生活の様子をシェアして頂きました。
スウェーデンへの留学やスウェーデン王立工科大学への進学を考えている方にとってこの記事が少しでも参考になれば嬉しいです。
Reigoでは英語学習だけでなく、留学経験者のインタビュー記事もこれからどんどん更新していくので応援よろしくお願いいたします。
今回ご協力してくださったnachiさん、ありがとうございました!