こんにちは。当ブログを運営しているRei(@reimatsuda7)です。
今回はニューヨークにあるファッションの名門Fashion Institute of Technology(ファッション工科大学)に通うKikoさんをゲストとして招き、大学紹介をしていただきました。
進学・編入にあたってのアドバイスを実際に通っている現地の学生目線から聞いてみました。ファッションに興味がある方やFITに留学を考えている方にとってこちらの記事が少しでも参考になれば嬉しいです。
Contents
Kikoさんの自己紹介
皆さん、初めまして。私は現在アメリカ・ニューヨークにあるファッション工科大学/Fashion Institute of Technology (通称FIT)でファッションデザイン科を専攻しているKikoです。高校卒業後、2017年にニューヨークへ渡り、2年の準備期間を経て、2019年に念願のFITに入学しました。今回は、皆さんに世界のベストファッションスクールの1つだと言われているファッション工科大学、FIT についてご紹介します!
Fashion Institute of Technology (FIT)とは
Fashion Institute of Technologyは、1944年に設立され、アート、デザイン系だけでなく、ビジネス、テクノロジー系分野のメジャーも豊富に取り揃えられている大学です。マンハッタンのチェルシーエリアにキャンパスを構え、全校生徒約9000人、合計6つの校舎で成り立っています。FITはニューヨーク州立大学(SUNY)の中の1校で、通称FIT(エフアイティー)と呼ばれ、日本ではファッション工科大学という名前で知られています。2年制、4年制、6年制のシステムがあり、自分で卒業のタイミングを自由に選ぶことができます。
FITの特徴
【ファッション関連以外のメジャーも豊富】
Fashion という単語が大学名に入っている通り、FITはとにかくファッションに関連するメジャーが豊富にそろっていますが、それだけではありません。香水やコスメティックなどについても学べる学科があり、実は世界で初めてオモチャデザインのメジャーが作られたことでも有名です。
【学費がリーズナブル】
FITは州立大学(State University of New York : SUNY)のうちの1校なので, ニューヨーク内のファッション大学の中では、ダントツで学費を安く抑えることができます。なんと、ローカルの生徒だと1セメスターの学費が約30万円と、驚くほどリーズナブルです。留学生・州外に住んでいる生徒の学費は、ローカルの生徒と比べ約3倍のお値段になりますが、それでもニューヨーク内のファッション大学にしては、とても親切な価格となっています。そしてFITはリーズナブルな授業料にも関わらず、質の高い授業を受けられるため、世界各国の留学生に大人気の学校です。
基本データ
規模 | 大規模 |
授業料 | 2年短大: 州内の居住者は$2645.00 留学生や州外の生徒は$7935.00 3年・4年目: 州内の生徒は$3585.00 留学生や州外の生徒は$10,846.00 大学院:州外の生徒は$5771.00 留学生や州外の生徒は$11,793.00 (セメスター毎の学費) |
学校の種類 | 2年制短大・4年制大学・6年制大学院 |
性別 | 共学 |
宗教 | 無宗教 |
留学生対象奨学金 | 無 |
条件付入学 | 無 |
人気の専攻 | ファッションデザイン、コミュニケーションデザイン、ビジネスマネジメント |
立地環境 | 都会 |
治安 | 普通 |
滞在オプション | 寮、オフキャンパス |
必要英語力(学部入学) |
• TOEFL ibt : 80以上 、 IELTS: 6.5 以上 、 PTE: 53 以上 、Duolingo English Test: 105 以上 |
アカデミックプログラムや認定プログラム
FITは17種類のデザインメジャー、10種類のビジネスメジャーと2つリベラルアートメジャーの合計、29種類の中から専攻を選ぶことができます。こちらはフルタイムの生徒専用のプログラムとなっていますが、もちろんフルタイムの学生にならなくても受講できるプログラムもあります。夜間コースやオンラインプログラムだけでなく、修了証明書を受け取ることのできるパートタイムのプログラムや、証明書の有無にかかわらず、自分の学びたいクラスだけを受講することを目的とした人達のためのプログラムなど、自分のスケジュールとニーズに合わせてプログラムを選択することができます。
ESLプログラム
留学生は、必ず在学中に必須科目に加え、数学とESLの授業を取らなければなりません。しかし、事前に大学独自のプレイスメントテストを受け、そこで合格点を取得するとクラスの受講を免除してもらうことが出来ます。もしくは、FITに入学する前にコミカレなどで、同クレジットに値する授業を修了していると、単位を移行することができ、それも免除の対象となります。
学費と奨学金
私は今2年制に通っているので、学費自体はセメスターごとに$7935.00。プラスでFITの生徒は大学が指定する保険に加入する必要があるため、その費用が約$1,200、あとは施設費やその他諸々を合わせて、セメスターごとに日本円で約100万円を支払っています。寮生の場合はそこに寮費が$7,768.00、そして必ずミールプランという、毎日の食事券も必ず付けなければいけないので、合計$9,794.50がプラスで上乗せされます。FITは残念ながら、留学生に対する奨学金はありません。
学生サービス
【Tutor制度】
アカデミック・スキル・チュータリングセンターと呼ばれ、デザイン学科だけではなく、数学や英語の授業などにも対応してくれるオフィスがあります。現在は全ての授業がリモートで行われているため、チュータリングもオンラインで行われます。事前にメールでアポイントメントを取り、1時間ほど手厚いサポートを受けることができます。ドロップインチュータリングもあり、こちらは事前の予約は必要ありません。指定のリンクにアクセスすれば、オンライン上でいつでもサポートを受けることが出来ます。こちらもほぼ全てのクラスに対応しています。
【就職センターなど】
FIT独自のジョブ・キャリアセンターのサイトがあり、インターン生や就活生を募集している企業の情報が随一更新されます。就職活動をしている生徒のために、キャリアアドバイザーがレジュメやカバーレターをチェックしてくれることは勿論、事前にアポイントメントを取ると、面接の練習を行ってくれたりもします。また、キャリアセンター主催でジョブフェアーも頻繁に開催されています。今はZoomでの講演会スタイルですが、従来であれば、複数の企業がキャンパスを訪れ、就活生が企業と直接話をすることができます。
ファッション工科大学での留学生活について質問!
ファッション工科大学での留学生活をKikoさんに質問して聞いてみました。
なぜファッション工科大学/デザイン専攻を選んだのですか?
私は幼い頃からファッションが好きで、高校生の頃には服作りにまつわる知識を1から学べる大学に行きたいと考えていました。高校2年生の時にカリフォルニアの学校に1年留学していたこともあり、必然的に海外の大学も選択肢にありました。世界トップレベルのファッション大学を何校か調べ、学費や生活費、経済面の事を考慮したのち、FITへの入学を決意しました。
授業の雰囲気は?勉強は大変ですか?
個々が自分の目標に向けてフォーカスしているのでクラスメート全員がライバルだ、という雰囲気があります。しかし、決してピリピリしたものではなく、1人1人がお互いの作品を見て、自分ももっとレベルを上げていこう!という向上心で溢れています。
授業自体が大変なのはもちろん、課題が山のようにでるので、休日であってもダラダラする時間は一切ありません。よく、入学前に、先輩方からデザイン専攻学生は、ミッドタームとファイナル前には皆ゾンビのようになると言われていましたが、まさにその通りです(笑)。忙しい時期には、2時間寝られればいいほうで、一睡もせず課題を仕上げ、眠気で倒れそうになりながらプレゼンテーションをすることもあります。タイムマネジメントこそ、FITでの学生生活を切り抜けるカギです。
週末はどこで遊ぶのですか?
私はどちらかというとインドア派なので、毎週シティに出掛けるよりも、自分の部屋で映画を見たり、次の作品のインスピレーションを探すため、YouTubeでデザイナーのランウェイを鑑賞や、Pinterestでひたすら画像を集めたりしています。シティに出た時には、ウィンドウショッピングをして、最新のトレンドを研究したり、街を歩いているオシャレな人達が着ているものをチェックしたりしています。
日本人は何人くらい?
アジア人の中でも日本人の留学生はとても少なく、全メジャーを含めても、同時期に入学した日本人は20人もいないのではないかと思います。FITには図書館が2フロアあるのですが、月に1度、日本の方かなと思う人に1回遭遇するくらいです。
留学当初と比べて英語力は上がりましたか?
私は高校生の時に、カリフォルニアに1年住んでいたこともあり、FIT入学後、英語に関してあまり不自由を感じる事はなかったのですが、ファッションの専門知識の英語力は各段に上がりました。しかし授業中に20人ほどのクラスメートの前でプレゼンテーションをするとなると、緊張で単語や文法がめちゃくちゃになってしまうこともあります。
大学のご飯は美味しい?
大学のカフェテリアは様々な種類の食べ物が豊富に取り揃えられています。日本食コーナーにはお寿司やうどんが売られていたり、ビーガン用のメニューや、オーガニックの日替わりスープも備わっていて、とても充実していると思います。私のお気に入りはサラダバーで、毎日フレッシュな野菜と果物が準備されて、とても嬉しかったです。今はコロナの関係で寮生しかキャンパスに入れないので、カフェテリアのご飯がとても恋しいです。
寮生活?ホームステイ?
私はニューヨークに来た当初から、自分でアパートメントを借りていたので、FITに入学後も変わらず、自分のお家から40分かけて電車で通学していました。ミールプランも付けていないのでご飯も毎食、自分で用意する必要があります。学校がある日は忙しくて、自炊をする時間も、外に食べに行く暇もなかったので、毎日タンブラーにいれた紅茶とプロテインバーを数本常備して、1日を過ごしていました。授業が終わり、家に着く頃には毎日ヘトヘトでご飯を食べずにベッドに直行していたので、テストが近づくたびに痩せるのが恒例行事でした(笑)寮の場合はベッドルームをシェアすることになるので、少し窮屈な思いをするかもしれませんが、友達作りやコミュニケーション能力を上げるには最適のチャンスだと思います。
まとめ
いかがでしたか?今回はニューヨークのファッション工科大学に留学していたKikoさんに、留学生活の様子をシェアして頂きました。FITへの進学やファッション留学を考えている方にとってこの記事が少しでも参考になれば嬉しいです。
Reigoでは英語学習だけでなく、留学経験者のインタビュー記事もこれからどんどん更新していくので応援よろしくお願いいたします。
今回ご協力してくださったKikoさん、ありがとうございました!