こんにちは。当ブログを運営しているRei(@reimatsuda7)です。
今回はノルウェーにあるオスロ大学(University of Oslo)に通っていたAiさんをゲストとして招き、大学紹介をしていただきました。
進学・編入にあたってのアドバイスを実際に通っている現地の学生目線から聞いてみました。オスロ大学に留学を考えている方にとってこちらの記事が少しでも参考になれば嬉しいです。
Contents
Aiさんの自己紹介
こんにちは、Aiです。今回は私が2009年から1年間通っていた、ノルウェーのオスロ大学をご紹介します。みなさんはノルウェーと聞いて、何を思い浮かべますか?ノルウェーサーモンや、毎年ノーベル平和賞の授賞式が行われる国、というイメージでしょうか。同じ北欧のスウェーデンやフィンランドと比べると、まだまだ未知の国かもしれません。シャイで優しい国民性と、高い教育水準を持つノルウェー。その魅力をお伝えします。
University of Osloについて
UiO (Universitetet i Oslo)の愛称で親しまれるオスロ大学は、ノルウェーで最大、かつ最古の歴史をつ最高学府です。まだオランダ統治時代だった1811年に設立されました。現在は約30000人の学生と約6000人のスタッフが居ます。ノーベル賞受賞者も5人輩出した、世界大学ランキング127位の大学です。
オスロ大学があるノルウェーの特徴
- ノルウェーの人口は約537万人(2021年1月現在。日本人は13,952,915人)
- 面積は38万199k㎡(日本は37万7900k㎢)
- “ムンクの叫び”を生んだ国
- アナと雪の女王の“アレンデール”はノルウェーがモデル
- EU非加盟国のため通過はNOK(ノルウェークローネ)
- 石油と天然ガスを輸出する裕福な国
- 日が沈まない白夜とそれが終わった後の長い冬
- 治安がとても良い。
- 物価は高め(ハンバーガー1個で約1000円)
- 自然に恵まれ、フィヨルドは絶景。
基本データ
規模 | 大規模 |
授業料 | 無料 |
学校の種類 | 4年制総合大学 |
性別 | 共学 |
宗教 | 無宗教 |
留学生対象奨学金 | International Summer Schoolのみ有 |
条件付入学 | 無 |
人気の専攻 | メディア・コミュニケーション学、教育学 |
立地環境 | 都会 |
治安 | 良 |
認可・認定 | 無 |
滞在オプション | 学生寮(2021年現在は部屋不足で市内のホテルも滞在先となる) |
必要英語力(学部入学) |
TOEFL iBT 60 以上 |
アカデミックプログラムや認定プログラム
教育学、人文学、数学・自然科学、法学、薬学、歯学、社会科学、工学の8つの学部があります。人文部にイプセンセンターがあるのはノルウェーならではです。学士課程は3年間、修士課程は2年間であり、学士課程を終えた多くの学生がそのまま修士課程に進みます。留学生として学ぶ方法は、正規入学以外では 、交換留学 、エラスムス+ 、Nordplus(ノルドプラス) 、フルブライト のどれかです。
日本人には交換留学が当てはまります。夏にはInternational Summer Schoolとして様々なコースが開講されており、学士、修士課程ともに学ぶ事ができます。アメリカ留学でよくある、コミュニティカレッジからの4年制大学編入のようなプログラムはありません。
ESLプログラム
オスロ大学には、ESLに相当するプログラムはありませんが、“English Grammar” や “English phonics and Intonation”など、英語の文法や発音に特化して学べるクラスが有ります。以前は“English for International Student”という、アカデミックライティングやリーディングなどが学べるカリキュラムがありましたが、現在は開講していないようです。
オスロ大学でESLに相当するものは、大学に正規の学士として入学する前に1年間受けられるノルウェー語の授業です。オスロ大の学士課程の授業はほぼノルウェー語なので、その準備期間として1年間ノルウェー語を学べます。ただし進級試験が厳しく、試験に不合格となるとビザ更新が出来ないため、泣く泣く帰国する人もいると聞きます。
学費と奨学金
福祉国家のノルウェーは学費が無料です。奨学金も、正規の学生としてオスロ大学で学ぶ場合は、ノルウェー国籍ではなくても申請、受給が可能です。
オスロ大学に正規入学し、大学院まで進んだ日本人の方の記事が参考になります。
学生サービス
学内には郵便局や美容室、ジム、医療サービス、就職支援センターや法律のアドバイスをもらえるサービスなども揃っており安心です。オスロ大学が所有する美術館や博物館には、オスロ大学の学生は無料で入れます。学生が運営するサークルもたくさんあります。
留学生は学期の初めにそれぞれbuddy groupという少人数のグループに分けられ、ノルウェー人学生がグループリーダーとなって交流イベントを開いてくれます。そこで友達になった世界各国の学生とは、留学中一緒に旅行をしたりキッチンパーティーを開きあったり、ノルウェーで初めてできた友達として交流が続きます。
オスロ大学留学について質問!
オスロ大学での留学体験をAiさんに質問して聞いてみました。
なぜオスロ大学を選んだのですか?
理由は2つあります。
①学びたい分野のカリキュラムがあった
学びたかった国際関係の授業があった事が一番の理由です。しかし実際は、現地で色々な授業を履修した結果、国際関係よりも教育やジェンダー、宗教、文学の授業が楽しくなりました。北欧といえば進んだ教育システムが魅力ですし、男女平等のお手本のようなノルウェーで、最先端の内容を学べたことがとてもよかったです。「人形の家」を書いたイプセンもノルウェー人ですので、イプセンに関する事を本場で学べたのも貴重な体験でした。
②北欧という珍しい土地に行く機会はなかなか無いと思った
留学という機会でなければ、北欧に行くことはこの先の人生で無いだろうと思い決断しました。第一希望の大学をワシントン大学とオスロ大学で迷って、面接で「どちらが良いか決められないので、どちらでも決まった方に行きます」と言ったらオスロ大学になりました。当時は今ほどノルウェーに関する情報が無く、ほぼ未知の国のような印象でした。怖かったですし勇気は要りましたが、留学というチャンスに思い切ってノルウェーに行った事で、一気に世界が近くなった気がします。その後の人生でも、「あの時ノルウェーに行って生活できたのだから、どこで何をすることになっても自分は大丈夫だろう」という強い心の支えになっています。
授業の雰囲気は?勉強は大変ですか?
ノルウェーの授業は、45分で一度休憩をして、計90分間行われます。基本的に英語で開講される授業を受けるので、必然的にクラスメイトは留学生がほとんどになります。留学生は皆、積極的に授業に参加していた印象です。ノルウェー人が多い授業もたまたま履修しましたが、ノルウェー人学生も予習復習、発言をしっかりしていました。宿題は多かったです。教授にもよりますが、読み切れない量の文献が毎回アサインメントとして出されました。ただそれ自体は、もともと通っていた日本の大学の授業がそういうスタイルで慣れていたのでついていけました。学期末テストは、1科目につき平均4時間が基本です。教科書を持ち込んで良いテストもあり、論述形式で回答するテストが主でした。
週末はどこで遊ぶのですか?
ノルウェー人の週末はアウトドア&アクティブです。オスロの一番の目抜き通りのお店やオスロで一番大きなショッピングモールも、土日は閉まっています。みんな土日は家族や友人と近くの山にハイキングに行ったり、湖で泳いだり、サイクリングをしていました。冬はスキーを履いてトレッキングにいきます。北欧の醍醐味、白夜の季節は、日が昇っている間はみんなでピクニックをするなど、アウトドアをとても楽しんでいました。1年を通して日照時間が短い国なので、太陽が出ている季節はとにかく日を浴びに外にいる人が多かったです。
日本人は何人くらい?
2009年当時は10人前後でした。交換留学生がほとんどで、他には正規の学生として大学院で学ぶ方もいらっしゃいました。
留学当初と比べて英語力は上がりましたか?
上がりました。留学前はかなり一生懸命勉強してTOEICで890点くらいが限界だったのが、帰国後は勉強無しでほぼ満点を取れるようになっていました。英語が完璧でなくても、自信を持って人前で話す度胸がついたのも大きかったです。
ノルウェー人は全員英語がとても堪能なので、生活には困りません。日常で英語を使おうと思えばいつでも使える環境でしたので、英語が公用語ではない国ですが、留学先として不足を感じることはありませんでした。
大学のご飯は美味しい?
オスロ大学のメインキャンパスであるBlindernには、食堂が15カ所、カフェが4カ所あります。サンドイッチやサラダなど、ヘルシー志向の食事が多かったのは嬉しかったです。ラーメン屋さんやタコス専門店、曜日限定のベジタリアンレストランなど、バラエティに富んだレストランがあり楽しめます。
寮生活?ホームステイ?
大学がは22カ所の学生寮を所有しており、その中の一つに滞在していました。シングルタイプやカップルタイプ、ファミリータイプなど部屋の種類はさまざまですが、私はシングルタイプでした。キッチンのみ共同、部屋は完全に個室です。個室が二つ並んでいて、その二人でバストイレをシェア。そういうタイプの部屋が4つあり、2人×4個室の計8人で一つのキッチンをシェアします。このようなスタイルの寮を“フラット”と呼んでいました。掃除は交代制です。
他にも、普通のマンションに一人暮らしをするタイプの寮もありますが、家賃は少し高めです。せっかくの留学なので、フラットタイプで色々な国の人と仲良くなりながら生活するのが楽しいと思います。私は、アメリカ人、メキシコ人、ザンビア人の夫婦、ドイツ人、オーストラリア人と同じフラットでした。定期的にキッチンパーティーを開いたり、誰かの家族が遊びに来るとその家族も交えて仲良くなったり、楽しかったです。
まとめ
いかがでしたか?今回はノルウェーのオスロ大学に留学していたAiさんに、留学生活の体験をシェアして頂きました。オスロ大学や北欧の大学へ進学を考えている方にとってこの記事が少しでも参考になれば嬉しいです。
Reigoでは英語学習だけでなく、留学経験者のインタビュー記事もこれからどんどん更新していくので応援よろしくお願いいたします。
今回ご協力してくださったAiさん、ありがとうございました!