こんにちは。当ブログを運営しているRei(@reimatsuda7)です。
今回はベルリン自由大学(Free University of Berlin)を卒業したKeisukeさんをゲストとして招き、学校紹介をしていただきました。進学・編入にあたってのアドバイスを実際に通っている現地の学生目線から聞いてみました。ベルリン自由大学に留学を考えている方にとってこちらの記事が少しでも参考になれば嬉しいです。
Contents
自己紹介
皆さん、はじめまして。ベルリン自由大学(通称FU)に留学していたKeisukeです。東京にある私立大学との交換留学プラグラムで、大学二年生の夏から12か月間本校に滞在しました。ベルリンでの一年間は私の人生の中で最も楽しく、そして辛かった時期でもありました。留学していたのは約3年前とまだ最近のことですので、本校のことを、私の実体験をもとにご紹介したいと思います。
ベルリン自由大学(FU)とは
FUはベルリンのドイツの国立総合大学であり、冷戦初期に当時の西ベルリンに設立された大学です。同じくベルリンにあり、当時の東ベルリンにあるフンボルト大学(HU)と並んで、ベルリンで最も有名で伝統のある大学です。
HUが当時の政治情勢の影響を受けて、社会主義のソビエト連邦の統制を受けていたことに対抗して、名前に「自由」の理念を冠した大学名となっています。「自由」の名前通り、勉学や活動を学生が主体となって「自由」に行うということを教育方針としています。国際色豊かな大学で有り、世界中から学生やビジネスパーソンが学びにやってくることで有名で、私の在学中にも日本の中央省庁や日本銀行から留学に来られている方がいらっしゃいました。
FUの特徴
- 全学生のうち、約21%を海外出身者が占める国内屈指の国際色豊かな研究機関。ヨーロッパだけでなく、アメリカやアジア、アフリカなどから広く学生を受け入れています。
- 大学ではドイツ語のみならず英語でも授業を受講することが可能で、私はドイツ語と英語の二つの言語で授業を受けていました。
- 政治学、社会学、言語学が有名。私は政治学部生でしたが、アメリカ大統領選挙に立候補したバーニー・サンダース氏が講演に来たこともありました。
- 物理、経済、科学、文学部門でのノーベル賞受賞者を多数輩出するなど多くの科学分野で重要な役割を果たす。
- 30,000人を超える生徒数を誇り、キャンパスの最寄り駅のDahlem-Dolf周辺には各学部の学舎が点在しています。
- スポーツが盛んで、100を超える競技種目のクラブチームがあります。なかには空手や剣道などの日本武道もあります。
基本データ
規模 | 大規模 |
年間授業料 | 0€(別途50€の登録料が入学時にかかります) |
学校の種類 | 4年制総合大学 |
性別 | 共学 |
宗教 | 無宗教 |
留学生対象奨学金 | 無 |
条件付入学 | 無 |
人気の専攻 | 政治学、社会学、言語学 |
立地環境 | 郊外 |
治安 | 大変良 |
認可・認定 | 連邦政府の「エリート大学」に指定 |
滞在オプション | 寮、オフキャンパス |
必要英語力(学部入学) |
英語で受講する場合はIELTS5.0もしくはTOEFL80 |
アカデミックプログラムや認定プログラム
12の学部と3つの学際的研究所によって構成されています。学部は生物学・化学・薬学部、政治・社会学部、歴史・文化学部、哲学・人文学部、法学部、経済学部、教育・心理学部、地球科学部、数字・情報科学部、物理学部、獣医学部、シェリテー学部に分かれ、学士課程73、修士課程105、博士課程52のプログラムがあります。
なかでも政治学、社会学、言語学は世界大学ランキングでドイツで1位となっています。他にも日本学科も盛んで、200名を超える学生が在籍しています。ドイツ連邦政府の研究助成プログラム「エクセレンス・ストラテジー」のエリート大学の1つに指定されています。
ESLプログラム
ESLプログラムはありません。英語での学部入学には試験がありますが、IELTSとTOEFLのスコアの提出を求められます。交換留学生の場合には英語・ドイツ双方での受講が可能です。
学費と奨学金
留学生や一般学生向けに大学が用意している奨学金はなく、ドイツ学術交流会(DAAD)が展開している奨学金プログラムに出願する学生が多いようです。DAAD奨学金は給付型で、経済的事由により学費負担が困難な学生や専門分野で顕著な成績を修めた学生を対象に支給されます。
留学生であっても研究奨学金(長期または短期)、留学奨学金、芸術奨学金の4つに応募することが出来ます。私は日本でもドイツでも奨学金の申請はしませんでしたが、家賃、生活費、その他諸経費で月1000ユーロ程度の出費でした。ベルリンは首都でありながら、ドイツの中でも物価の安い都市なので、1000ユーロで十分生活可能です。留学原資は留学前にアルバイトをして貯めた貯金と両親からの援助で賄いました。
学生サービス
交換留学生を含め海外からの留学生には学部入学前にオリエンテーションやレクリエーションがドイツ語・英語で実施されました。Tutor制度はありませんでしたが、学部入学前に開かれるドイツ語レッスンの先生が授業や生活のことについて相談に乗ってくれました。
また、ベルリンで最も充実していると言われる図書館を備えており、自習のために夜遅くまで開かれていました。大学主催で出身国ごとのパーティーがあり、その場で他の日本人留学生と連絡先や情報交換をしたり、日本に興味のあるドイツ人留学生と交友を深めることが出来ました。 International Clubがあり、ドイツ人学生や海外からの留学生と一緒に様々なイベントやアクティビティに参加することが出来ます。イメージとしては日本の大学のサークルの大規模バージョンのようなものです。
ベルリン自由大学での留学生活について質問!
ベルリン自由大学での留学生活をKeisukeさんに質問して聞いてみました。
なぜベルリン自由大学/政治学専攻を選んだのですか?
高校時代からドイツ語を学んでおり、それまでに2回ドイツに留学していたのでドイツを留学先に選びました。ドイツの大学ではドイツ語だけでなく英語でも授業が受けられるのが魅力的でした。なかでもベルリンを選択したのはベルリンが国際色豊かな街であり、世界中から様々な人種や国籍の人が集まり刺激にあふれる学生生活が送れるのではないかと思ったからです。
また、中世の街並みや二度の戦争の傷跡が残るほか、美術家にオペラなど芸術の中心地でもあり、魅力的でした。私は日本で政治学を専攻していましたが、ベルリン自由大学が政治学部で世界的に高い評価を受けていることも同校を選んだ理由です。
授業の雰囲気は?勉強は大変ですか?
学生は授業に出席するだけでなく、積極的に発言、議論に参加することが求められます。ドイツ語や英語で授業が行われるので、ネイティブの学生と議論をすることがハードでした。そのためには教授から出される宿題だけでなく、毎回の授業の予習や復習が不可欠でした。日本の大学とは比べ物にならないくらいハードで毎日図書館が閉館するまで、図書館にこもって勉強していたのを覚えています。
1つの授業につきレジュメ100ページ以上の課題が出されることも珍しくなく、優先順位をつけながら、スケジューリングをするのが大変でした。試験は授業によって形態が異なり、ペーパー試験やコンピューターでの受験がありましたが、選択式よりも記述式で自分の意見を述べる機会が多かったのが印象的でした。
週末はどこで遊ぶのですか?
大学からバスで15分程度の学生寮に住んでいたのですが、寮にはドイツ人学生だけでなく、海外の留学生がたくさん住んでいたので寮で頻繁にホームパーティーが催されていました。ベルリンの中心地であるフリードリヒ通りやミッテにも近いので、友人とランチをしたり買い物をしていました。ベルリンは首都でありながら、自然豊かな都市でもあるので、ピクニックや湖での水泳をしたのを覚えています。長期休みにはバスでEU諸国へ遊びに行ったりもしていました。
日本人は何人くらい?
正確な数は分かりませんが、アジア人は10%程度であったと思います。私の住んでいた寮の一棟には60人が住んでいましたが、アジア人は10名以下でした。日本人はアジア人のうちの半分程度でした。交換留学生や中央省庁や中央機関から留学されている方を含めれば、15名程度であったと思います。
留学当初と比べて英語力は上がりましたか?
1年間で英語力は格段に上がりました。外での生活関連の手続きや買い物はドイツ語でしたが、授業から、寮での生活は基本的に英語でこなしていました。留学前はTOEICのスコアが500点程度でしたが、帰国後に受けた試験では950点になっていたのは驚きでした。
大学のご飯は美味しい?
大学にはメンザという学生食堂がありましたが、正直味は美味しくないです。ドイツの学食は「不味い」と有名なのですが、味にはいつも我慢していました。食費が安いのと勉強が大変で外に出る暇がないので仕方なく食べていた記憶があります。時間があるときには駅の近くのベトナム料理屋さんやケバブを食べていました。学食があまり美味しくないので、弁当を持参している学生もいました。
寮生活?ホームステイ?
留学生、正規学生ともに大半の学生は寮で生活していました。全部で3つの寮があり、大学からの距離や設備によって3つのレベルに分かれていました。私は2つの寮に住んでいましたが、完全個室でキッチン・シャワー・トイレは共有でした。寮では他の学生と交流を深めるチャンスがあるので、大変おすすめです。
留学前にどれくらいの語学力が必要ですか?
語学力はあるに越したことはないと思います。授業は基本的にはドイツ語や英語で行われ、ネイティブや語学に流暢な学生が多いので、語学が出来ないと最初は苦労するかもしれません。私は日本の大学での授業に加えて、英会話教室に通って英語力の向上に努めていました。
ただ、正直なところ海外の留学生は日本人学生よりも英語が上手であることが多いです。なので最初はうまくコミュニケーションが取れずに苦労することもあるかもしれませんが、一緒に授業を受けたり、生活していく中で語学力は確実に上がっていくので心配しないでください。
まとめ
いかがでしたか?今回はベルリン自由大学に留学していたKeisukeさんに、留学生活の様子をシェアして頂きました。
私も学費が無料ということでドイツ留学も検討しましたが、とても魅力的ですよね。ドイツへの留学やベルリン自由大学への進学を考えている方にとってこの記事が少しでも参考になれば嬉しいです。
Reigoでは英語学習だけでなく、留学経験者のインタビュー記事もこれからどんどん更新していくので応援よろしくお願いいたします。
今回ご協力してくださったKeisukeさん、ありがとうございました!