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ATSUさんの英単語帳 「Distinction 2000」を徹底的にレビューしてみた。

こんにちは。ニューヨークの大学に通っているRei(@reimatsuda7)です。

「Distinction I」「Distinction II」に続いて、「Distinction 2000」が発売されましたね。

コロナで大変な状況ですが、皆さんはいかがお過ごしでしょうか?私はニューヨークからマイアミに移動し、現在は自粛生活をしています。そんな暇を持て余していた私がいるアメリカにもようやくDistinction 2000が届き、あっという間に一周してしまいました。

実は以前「Distinction I II」のレビュー記事も書いたのですが、そちらの記事がけっこう読まれていて、今回も私自身同じ学習者としてレビュー記事を書くことを決めました。

Twitterでも書いたように、結論から言うと「神単語帳」なのですが、ブログではこれから購入を検討している方向けに詳しく評価してみました。

そこで今回の記事では、

  • 「Distinction 2000」とは
  • 「Distinction I II」との違い
  • 特徴や使うメリット
  • 買うべき人
  • 実際に使ってみた感想
  • 他の単語帳との比較

等についてみなさんと同じ学習者の目線で書いてみました。Distinction2000の購入を考えている人にとって有益な情報となれば嬉しいです。

Contents

「Distinction 2000」ってどんな単語帳?

「Distinction 2000」を簡単に説明すると、普段の生活で高確率で出会う基本単語(能動的に使える状態にすべき単語)を、アカデミックと日常的な側面から学ぶことが出来る英単語帳です。

これの何がすごいのかと言うと、今まで私たちには基本単語を学ぶ=受験用の単語帳を使うという選択肢しかありませんでした。しかし、Atsuさんが動画でも言っていたように、これまでのいわゆる試験や受験英単語に載っている例文は実用的なものがあまり多くありません。

Distinction2000では、日常生活やビジネスの場はもちろん、専門的なアカデミックの場でよく使われる基本的な2000語を集め、それらを実際に使えるように徹底的に掘り下げることが出来る単語帳だと私は思っています。

 

Distinction2000概要
・2000語収録
・3つのセクションで構成
・経済やAIなど40の幅広いトピック
・全ての単語・例文に音声
・10人のネイティブが協力
・全ページにイラスト配置
・スマホで音声ダウンロード可能
・全568ページ
・価格: 2640円(+送料)

Distinction I・IIとの違いは?

Googleの検索予測に出てくるくらい「Distinction I II」との違いについて多くの人が疑問に思っていると感じました。まずハッキリ言うと、これまでの「Distinction I II」と「Distinction 2000」は全くの別物です。

「Distinction I II」は、ネイティブはよく使うのに日本ではなかなか出会うことのできない表現が集められているのに対し、「Distinction 2000」は上でも書いたように、受験や日常会話でも頻出のコアな単語を様々な角度から学び、身に付けるための単語帳です。

なのでレベル的にも「Distinction I II」の方が圧倒的に上級者向けなので、「Distinction 2000」→「Distinction I II」が一般的な順番になると思います。

「Distinction I II」についてのレビューはこちらの記事に詳細に書いてあるのでぜひ参考にしてみてください。

「Distinction 2000」の6つの特徴

ここではDistinction2000を実際に使ってみてわかった特徴を、いくつかピックアップして紹介していきます。

1. 全ての単語に実用的な例文付き

収録されている全ての単語に例文が付いているだけでなく、その英文がとても実用的でそのまま会話やライティングで使えそうなものばかりです。

また、アカデミックライティングで使えそうな表現から、かなりカジュアルな英文もあり1つの単語でもシーンによって使い分けられることがわかります。

例えば、poorの解説では、"the gap between the rich and the poor"のような英作文にそのまま使えそうな表現と、This book was so poorly written that I couldn't keep reading after a few minutes(この本わかりにくすぎて数分で読むの辞めちゃった)"みたいな明日からそのまま使えそうな表現があり、すごく良いなと思いました。

後者のカジュアル感は今までの単語帳にはなかったので、例文の訳に「お前」とかあって私は嬉しかったです(笑)

2. 幅広い40のトピック

40のトピックに分かれており、哲学や宗教からコンピュータサイエンスやAIなど幅広い分野を通して英単語を学ぶことができます。

私がいいなと思ったのが、幅広いトピックに触れることで読解や内容を理解するための「背景知識」をつけるためというコンセプトです。英語の試験なので英検1級やIELTSは背景知識がなくても解けるようにできてはいますが、背景知識があるとないではやはり正答率は変わります。

また、試験に有利になるだけでなく、英語を身につけて世界の人とコミュニケーションを取る上で、自分が話せるトピックがあるに越したことはなく、そこまで意識されている単語帳はすごいと思いました。

3. 全ページにイラスト

これは「Distinction I II」とは大きく異なる点で、今回は英文や単語の内容をイメージしたイラストや図がぎっしりと詰まっています。

このおかげで、日本語訳と照らし合わせた文字だけの暗記だけでなく、イメージを掴みながら感覚的に理解することができます。その単語を使う場面を頭の中で描写できる感覚はとても重要で、私もよく単語帳に絵を描いたりしています。

また、今では海外ドラマから引っ張ってきたフレーズを日本語訳なしで、使われたシーンも簡単に英語でメモしたり、スクショを見ながら暗記していますが、すごく効果を感じています。

4. スマホで聞けるネイティブ無料音声

全ての英単語・例文にネイティブの自然な音声が収録されています。これは私も感じていたことですが、従来の単語帳の音声は不自然に教材用?にアレンジされていることが少なくなく、不自然に聞こえるものがあります。

実際に英検1級のリスニングも、私の周りのネイティブの英語と比べると格段に遅く、それでも渡米前は付いて行くのにギリギリでしたが、今では不自然なくらい遅く、簡単と思えるようになりました。

実際にDistinction 2000の音声を聞きましたが、ネイティブスピードで教材っぽさを感じない仕上がりになっていて、アメリカの大学で普段からネイティブ英語に囲まれている私には「これだ!」という感じでした。

また、通常のスピードに加え、ゆっくりめのスピードも用意されているようです。音声ダウンロードは英語アプリ「abceed」から無料ダウンロードできます。

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5. 親切な復習の目安表記

単語帳を使った学習は続けるのが難しく挫折する方が多いですが、それは効率的に単語帳を使う方法を知らないというのが根本的な理由だと思います。

そんな方に朗報ですが、忘却パターンを意識した学習計画が組み込まれており、これにより長期的に効率的に単語を学ぶことができるようになります。

具体的には60日間で、40チャプターを6周するというプランで、新しいチャプターに入る前に、前日に学習したもの、3日、6日、10日前に学習した内容を復習するような感じです。

AtsuさんはこれをActive Recallと呼び、p.17~p.18により具体的な説明が書いてあります。

Active Recallを行うことで最初の方に学習した内容を忘れる前に復習し、長期記憶にすることが可能になります。

6. 合計10人のネイティブが協力

私は今まで色々な単語帳を使ってきましたが、編集に関わったネイティブ10人のプロフィールが顔写真付きで載っているものは初めて見ました。

アメリカ英語をベースに、イギリスやオーストラリア出身の複数のネイティブが加わることで、より中身の英文が良くなっていると思います。

アメリカに来る前はネイティブはみんな同じみたいな考えに近かったのですが、同じアメリカでも出身地によって使う単語や話し方は全然違うし、人単位でも全く違うことに気が付きました。

当たり前ですが、日本人のようにクセやアクセントは誰にでもあります。なのでAtsuさんが編集者のプロフィールを公開していることと、複数のネイティブを集めたことはすごく理解できます。

音声も複数の男女のネイティブが録音しているので、色々な英語に慣れることができます。そしてこれは海外へ行く上ですごく重要です。

「Distinction2000」を徹底レビューしてみた

ここから1人の英語学習者として、Distinction2000を使ってみた感想を共有します。ちなみに参考までに私の英語力の目安としては英検1級・TOEIC965点(2年前の話ですが)で、現在はアメリカに住んでいます。

例文がとにかく実用的で良い

最初の感想としてまず出てきたのが、「例文が実用的で素晴らしい」でした。本当にそのまま使えるものばかりで、ツイートでは知らない単語はないと書きましたが、私のような中上級者でも学べる理由はネイティブ仕込みの例文です。

例えば、"famous(有名な)"という単語は中学生でも知っていると思いますが、それに対する例文が"I have a love-hate relationship with being famous."(有名になる事に関しては好きなこともあるけど、そうでない面もある)"なのですが、ソックリそのまま使えそうですよね。

また、この"love-hate relationship"などのフレーズは自分でアレンジしても使えそうですね。私の場合は"a love-hate relationship with being the oldest sibling"とか言えそうです。

このように単語だけではなく、例文で使われている表現が素晴らしく、まさに使えるフレーズの宝庫なのです。

英検・IELTS対策にも使える

上記のように日常会話でそのまま使える表現が詰まっている単語帳ですが、専門的な内容を扱う英検やIELTS対策にも使えるなと進めていく上で感じました。

40のトピックで培った背景知識が長文読解やディスカッション等で活きるのはもちろんですが、アカデミックセクションの英文が英検やIELTSまたTOEFL等のスピーキングやライティングでそのまま使えそうだと思いました。

例えば、IELTSではDistinction2000で扱われる移住・移民や音楽、環境などの幅広いトピックの問題が出題されるので、それぞれのトピックで頻出の表現や単語を押さえておくと強いです。

私のIELTSスピーキングは1年前で7.5でしたが、これらの表現を能動的に使えるようになれば8.5も狙えると思うので、日本に帰国するまでにひたすらリプロダクションして自分のものにしたいと思っています。

収録単語の語彙レベルは低め

これは使用者のレベルにもよりますが、思っていたよりもずっと単語のレベルが簡単で少し驚きました。Distinction2000は到達レベルの目安の1つとして、英検準1級と記してありますが、準1級受験レベルの方が単語学習の目的で買う場合はかなり物足りないと思います(私のように能動単語を増やす目的ならOkです)。

なので準1級の対策としてはパス単をしっかり買うことをオススメします。また、IELTSに関しても到達レベルの目安の1つにIELTS7.0と書いてありますが、こちらもテスト対策はIELTS専用の単語帳を別で用意する必要があります。

ただ、能動表現を増やすという目的のもと使うのであれば、IELTS8.0以上を狙う人でも使えると思います。

また、受験生に関しても、GMARCH以上の大学を狙うのであれば正直「Distinction2000」では足りないと思うので、単語王や鉄壁が必要になると思います。

到達レベルの目安の表記は正直全く参考にならないと感じたため、鵜呑みにしてしまう人が出ないか少々心配です。

これは断言しますが、「Distinction2000」だけでIELTS7.0、英検凖1級、TOEIC920の語彙力は全く足りないことは上記資格を持っている者としてしっかりと書いておきます。

中上級者にも嬉しい圧倒的な情報量

情報量は他の単語帳と比べても圧倒的です。

単語の微妙な違いや接頭尾辞、使い方の詳細があちこちに埋め込まれています。イラストや類義語も同じページに載っているのでわざわざググらなくても理解できます。

また、重要な類義語にまでも例文が載っているのですごく便利です。

しかし、人によってはかなりゴチャゴチャして見えるかもしれません。レビューにもありましたが、文字が小さく、近視の方には少し見にくいレイアウトかもしれません。

イラストについても、私はイメージしずらい単語のみで良いと思っていて、無駄に詰め込みすぎて、レイアウトに慣れるまでに少し時間がかかったのは事実です。

また、正直よくわからないイラストがいくつかありました。イラストの理解に時間を使わせてしまうのは、デメリットだと思いました。

自然なネイティブ音声がリスニング対策に

上でも書いたように、ネイティブ音声がいい意味で教材化されていないので、本物の自然なスピードの音声を楽しむことができます。なので。海外経験が浅かったり、ネイティブのナチュラルスピードに慣れていない人には少し早く感じるかもしれませんが、それでいいのです。

このスピード感に慣れ、問題なく聞き取れるようになれば、おそらくTOEICのリスニングがラクになるはずです。

私の場合は、音読とシャドーイング教材としても使っていて、少なくとも40のアカデミックセクションに載っている英文は能動表現にしようと思っています。アプリでバックグラウンド再生もできるのでオススメです。

加算・不加算の表記が助かる

全ての単語に、その単語が数えられるのか、数えられないかを示す加算・不加算の表記があります。日本語にはあまりない概念なので初心者の方はあまりピント来ないかもしれませんが、これが英語ではめちゃくちゃ重要で、常に気にする必要があります。

大事な事にもかかわらず、今までの単語帳にはこの表記がほとんどなかったので、今まで例文から判断したり、電子辞書で調べていましたが、Distinction 2000はあらかじめ表記があるため学習効率が上がります。

DUOや他の単語帳と比べてどう?

DUOとDistinction 2000を難易度で比べた場合、DUOの方が若干語彙が簡単だと思いました。速読英単語も同じくらいなので、おそらくDistinction 2000がこの中で1番難しいです(僅差ですが)。

情報量に関してはDistinction 2000が圧倒的に上で、DUOは例文は短く、かなりすっきりとしたレイアウトです。

例文に関してですが、Distinction 2000は速読英単語の進化版(より使える英文)というところで、個人的な感想としては今まで受験英単語の代表格だったDUOと速単シリーズの良いところ取りをしたのがDistinction 2000だと思っています。

しかも、口語と文語の両方があるので、私が受験生だったらDistinction 2000から入ると思います。そのあとにパス単凖1級や単語王、鉄壁などのよりハイレベルな単語帳に移行します。

「Distinction2000」を購入すべき人

まず大前提として、高校英文法の基礎ができていない人にはオススメしません。他の単語帳なら単語を覚えるだけという理由で、英文法が多少できなくても使っても良いと思いますが、Distinction 2000は例文を効果的に使うことで活かされる単語帳だと思うので、収録されている英文があまり頭に入ってこないレベルの方にはまだ早いかもしれません。

例えば、上で紹介したような"This book was so poorly written that I couldn't keep reading after a few minutes."という比較的に簡単な例文の意味が瞬時にわからなかったり、so that構文などの初歩的な文法知識が無い方は、まず英文法に力を入れることをオススメします。

私は受験対策にも使えると思っており、DUOの進化版と誰かが言っていましたがまさにその通りでした。また、上で話したように英検やIELTSの英作文・スピーキングにも有効です。長文対策にもなるので、TOEICのパート6や7にも効果がありそうです。

また、プラクティカルな場面にも対応しているので、私のように日常会話での能動表現を増やしたい方や、プレゼンなどのビジネスの場でも使える英語を学びたい人にとってもオススメです。

「新時代の英単語帳」を手に入れよう!

今回の記事では、ATSUさんの新しい英単語帳「Distinction 2000」について徹底的にレビューしてみました。

同じ学習者の目線で紹介したので、かなり詳細に書きすぎた感はありますが、それだけ今までとは異なる革命的な単語帳だと記事を執筆していて感じました。

記事の内容をまとめると、英文法の基礎がある全英語学習者にオススメの単語帳です。使い方を間違えなければ、英語力アップにすごく役立つ教材だと思います。この記事が少しでも購入を考えていた人の参考・後押しになれていれば嬉しいです。

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